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ハイブリッド式竪型成形機「TNXシリーズ」19タイプを商品化

  • 2010年11月30日 新製品情報
  •  日精樹脂工業株式会社は、このほど、基本性能の向上を図り、コストメリットを追求したトータルバランスに優れたハイブリッド式竪型射出成形機「TNXシリーズ」19タイプを商品化、12月1日から販売を開始します。

     今回、商品化した「TNXシリーズ」は、各種インサート成形に最適なターンテーブル型締方式。型締力523kN(50トン)から2156kN(220トン)までの5機種をベースに、これに射出方式としてセンター射出(金型上部からの垂直射出)の「TNX-R-V」と、パーティング射出(金型側面からの水平射出)の「TNX-R-A」を選ぶことができ、射出ユニットとの組み合わせにより19タイプから最適な機種選定ができます(パーティング射出タイプは受注生産対応)。

     「TNXシリーズ」は、優れた射出性能を発揮し、ランニングコストを低減する極限の省エネを実現した革新的なハイブリッドポンプシステム「Xポンプ」を搭載している点が最大の特長です。
     型締力50トンのTNX50Rでは、油圧従来機に比べて消費電力を約70%、作動油量を約25%削減しました。

    本シリーズの機構面の特長
    1.射出機構
    (1) ワイドレンジな射出領域を確保し、成形領域を拡大
     油圧ポンプをサーボモータ制御することで、成形条件に応じた最適な吐出量に随時切り換えが可能であるため、広範囲な射出速度・圧力領域において優れた制御特性を実現しています。射出速度の高速化と射出立ち上がり時間(最高射出速度への到達時間)の高応答化も実現しており、流動長の大きな製品(端子BOXなど)や薄肉製品の成形に威力を発揮します。
    TNX50R5Vの射出性能:
     ◎最高射出速度:300mm/s(油圧従来機比約2.6倍)
     ◎射出立ち上がり時間:60ミリ秒(油圧従来機比約2倍)
    (2) 極低速・低圧領域での優れた安定性が、成形領域を拡大
     サーボモータによるポンプ駆動のため微少流量をコントロールできるとともに、フィードバック制御を行うことで、従来の油圧機では不可能であった「1mm/s以下の速度設定」を正確に制御できます。また、極低圧領域での制御性・安定性も飛躍的に向上しましたので、肉厚製品やホットメルト(低圧封止)などの成形にも最適です。
    (3) 高射出圧力の長時間保持で、成形領域の拡大と品質向上を実現
     Xポンプ搭載機では、電気式成形機が苦手とする「高い射出圧力を長時間保持する」ことが可能になり、肉厚成形品の品質向上に威力を発揮します。

    2.型締機構
    (1) 長期安定稼動
     金型や型締機構の温度変化による影響を受けず、常に設定値通りの均一な型締力を金型に伝達可能な直圧式型締機構を搭載しています。金型や成形機にやさしい適正(低)型締力設定が容易で、シンプルかつクリーンな機構は長期にわたり機械精度を維持します。
    (2) 取付可能な金型サイズを大型化
     3本タイバーシャフトによるワイドなターンテーブルを搭載しており、取付可能な最大金型寸法を業界最大クラス(当社比最大20%アップ)に拡大しました。製品の複雑形状に伴う金型の大型化やスライドコアを有する金型などに対応します。
    (3) 作業性・操作性の向上
     ターンテーブル(金型取付面)周りの作業スペースを広く確保しているとともに、ターンテーブル高さを低床化したことで、金型取付などの段取り替え作業のほか、ワークインサートや製品取出しなどの作業性・操作性を大幅に向上させました。ロボットなどによる自動化にもフレキシブルに対応できます。
    (4) サーボモータ駆動によるサイクルアップ
     ターンテーブルの回転動作とエジェクタ動作をサーボモータ駆動としており、それぞれ高速かつスムーズ(低振動)な回転動作を実現。また、射出・計量とエジェクタの同時動作が可能で、サイクルアップを実現しました。

    3.高機能コントローラ TACT
    (1) 操作パネルは90度旋回式の12.1インチカラー液晶タッチパネル画面。
    (2) オペレータの背丈に合わせて画面角度が変えられるチルト機構搭載。
    (3) 操作スイッチは、設定入力ミスが少なく操作性に優れたセレクトスイッチ方式です。
    (4) 海外展開にも柔軟に対応可能な6ヶ国語表示(日・英・中・西・韓・タイ)を標準装備。
    (5) 成形良否判別機能などの品質管理機能やメンテナンス機能を充実。
    (6) 多種多彩な「使える成形支援ソフト」を搭載。

     日精樹脂では、これまでに約10,000台の竪型成形機の販売実績があり、省力化や高付加価値化といったモールダーのニーズに合わせて、自動車部品や電気・電子部品、IT機器・家電など各種用途に対応したロボットによる全自動成形システムを提案しています。
    ◎ 金属部品などのインサート成形の用途例:
     (1)自動車用電装部品やハーネス用コネクタ、センサー部品、(2)AV機器・家電製品の機構部品、(3)コイルボビンの封止成形など
    ◎ リードフレームによる連続フープ成形の用途例:
     (4)LEDベース、リフレクター、(5)モバイル機器用狭ピッチコネクタ、(6)タクトスイッチなどの電気・電子部品、(7)自動車用メッシュフィルタなど

     今回の「TNXシリーズ」の商品化によって、日精樹脂のハイブリッド式竪型射出成形機は、既販の型締力10トン・20トンのSTXシリーズ(9タイプ)と合わせて計28タイプのラインアップが完了しました。

     標準本体価格は、消費税別で、1,540万円~3,130万円。
     年間約150台の販売を見込んでいます。
    • TNX50R5V
      TNX50R5V
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