平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
第69期中間期(2024年4月1日から2024年9月30日まで)の業績と当期の見通しにつきましてご報告申し上げます。
第69期中間期の概況
当社グループが属する射出成形機業界では、国内および海外での設備需要に対する姿勢が慎重だったことおよび材料価格、エネルギー価格の上昇等から厳しい経営環境が継続しております。
このような状況の中、当中間連結会計期間の業績につきましては、射出成形機の引合から受注に至る期間が長期化していること等から売上高合計は221億500万円(前年同期比2.1%減)となりました。
製品別売上高につきましては、射出成形機売上高が158億9,900万円(前年同期比2.2%減)、周辺機器売上高は9億9,400万円(同16.5%減)、金型等売上高は6億6,200万円(同36.6%減)と減少しましたが、部品売上高は45億4,800万円(同11.5%増)となりました。
利益面につきましては、営業利益は5億100万円(前年同期比35.2%減)となりました。また経常利益は5億4,400万円(前年同期比32.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は3億1,500万円(同44.2%減)となりました。
第69期の見込みおよび対処すべき課題
第69期は第四次中期経営計画の最終年度にあたり売上高640億円を計画として掲げておりました。しかしながら昨年から続く世界経済の低迷により各業界の設備投資マインドに更なる慎重さが加わり、引合件数は高止まりしているものの受注に至るまでの期間が長期化している現状を鑑みて当初計画を455億円と修正いたしました。今後におきましては、資本コストを意識した経営の推進として、まずは自社の資本コストや資本収益性を的確に把握した上で分析評価を進めてまいります。その上で改善に向けた方針、目標、具体的な取り組みを進め、当社グループの成長可能性を広く発信することで企業価値の向上を図ってまいります。
- (1) 環境経営の実践強化
- プラスチック製品が地球環境をはじめ、社会全体に及ぼす影響が重大であると認識し、TCFDへの対策を軸にSDGs、コーポレートガバナンスの強化、中期経営計画への取り組みを通じて収益拡大と共に社会課題の解決を推し進めてまいります。
- (2) セールス戦略
- お客様が成形現場で抱えておられる生産性向上や歩留まり改善のほか、省エネ技術や環境対策、更に技能伝承といった課題に対して、専業の課題解決型企業として各種ソリューション技術をご提案し、「お客様の価値創造」をサポートしてまいります。
- (3) 商品戦略
- 長期ロードマップに基づく計画的な商品開発・研究開発を行い、お客様が儲かる新商品の提案を実施いたします。また、環境に適した新規ビジネス商品、業種ごとに最適な商品開発を実施し、各業界のデファクトスタンダードを目指してまいります。
- (4) プロダクト戦略
- グローバルサプライチェーンの強化により、品質、コスト、納期対応の向上を図るとともに為替リスクの低減を図り、難調達部品の計画的な調達と供給体制の最適化を進め、品質、コスト、納期の安定化を強化してまいります。
- (5) コスト戦略
- 世界のBOP(低所得者層)市場への対応を含め、お客様に高性能・高品質で、かつ安価で儲かる射出成形機を提供できるように国内外の生産工場における内製化およびグローバルサプライチェーンの強化により、コストダウンを推進いたします。
- (6) サービス戦略
- 当社は、お客様に対してビフォアサービスやプリメンテナンスを提案し、予防保全を推進しております。更にIoT技術やAI技術を活用した成形工場のDX化にもいち早く取り組んでおり、遠隔地からのリモートメンテナンスサービスによる診断・保守、部品の寿命予測機能等により、お客様工場でのダウンタイムの削減、サービスマンの移動ゼロによるCO2排出量削減等を実現してまいります。
- (7) 人事戦略
- 社会に必要とされる企業であり続け、持続的成長を続けるためには、人財の育成、確保が急務であります。そのため、多様な経験や個性のある人財の育成のための能力開発に取り組んでまいります。また従業員が主体的なキャリア形成に取り組める各種リスキリングの機会の提供を進めてまいります。
- (8) リスク管理体制
- 自然災害リスク、地政学リスク等から事業を一日も早く復旧させるBCP体制の強化を進めてまいります。また、グループ全体でコンプライアンス教育を強化し、法令遵守の企業風土を強固にすると共に、ハラスメントに関する教育の徹底により更に全従業員が働きやすい職場環境の整備を進めてまいります。
令和6年12月
代表取締役社長依田 穂積